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臨床経験
脊柱管内血管脂肪腫の2例
著者: 小島朗1 冨士武史1 白崎信己1 倉都滋之1 原田武雄1 久保雅敬1 濱田秀樹1 虎頭廉2 中岡和哉3 佐谷稔3
所属機関: 1大阪府立病院整形外科 2大阪府立病院第一研究検査科 3大阪府立病院第一外科
ページ範囲:P.319 - P.324
文献購入ページに移動症例1は60歳男性で主訴は歩行障害であり,両下肢の痙性不全麻痺を認めた.腫瘍は第5胸椎高位から第10胸椎高位に及び,完全切除は不可能であったが術後神経症状は改善した.現在手術後9年を経過したが神経症状の再発を見ていない.症例2は76歳男性で主訴は咳嗽であり,胸部以下の軽度の知覚障害と両下肢の痙性を認めた.腫瘍は第9,10胸椎高位にあり硬膜外腔だけでなく脊柱管外にも広がっており砂時計腫型発育をしていた.腫瘍切除により知覚障害の消失と痙性の軽減を得た.脊髄血管脂肪腫は現在我々が知りえた範囲では34例報告されており,今回の2例を含めて36例を検討し報告した.
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