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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻4号

1989年04月発行

文献概要

特集 不安定頸椎—基礎と臨床—(第17回日本脊髄外科研究会より)

棘突起・靱帯complexの頸椎安定性における役割と同complexを温存した頸部脊柱管後方拡大術

著者: 都築暢之1 田中弘美1 飯塚正2 岡井清士3

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター整形外科 2埼玉医科大学整形外科 3都立駒込病院整形外科

ページ範囲:P.387 - P.396

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 抄録:棘突起を椎弓から離断した頸部脊柱管後方拡大術(C2 or C3〜C7)では,頸椎全体が頸・胸椎移行部で前傾する傾向が認められた.また屍体(腹臥位)でC7〜T1間の棘突起結合靱帯を切離すると,C7〜T1間の棘突起間に離開が生ずることが観察された.これらの事実から,棘突起・靱帯complexの頸椎安定性における役割として,棘突起は傍脊椎筋および棘突起間結合靱帯が頸椎に牽引作用をおよぼす為のlever armとしての意義を有し,下位頸椎・胸椎間の棘突起結合靱帯は頸椎・胸郭間の静的結合にとって重要な働きをするものであると考えられる.頸部脊柱管後方拡大術において同complexを椎弓から離断せず温存すると,術後の頸椎安定性保持に役立つばかりでなく,術中,同complexの持つtension band効果を移植骨片保持に利用できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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