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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻4号

1989年04月発行

文献概要

特集 不安定頸椎—基礎と臨床—(第17回日本脊髄外科研究会より)

頸椎前方手術後のC5神経麻痺の問題点と解決法

著者: 四宮謙一1 古屋光太郎1 黒佐義郎1 渕岡道行1 山浦伊裟吉2 佐藤浩一3

所属機関: 1東京医科歯科大学整形外科学教室 2九段坂病院 3済生会川口総合病院

ページ範囲:P.421 - P.428

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 抄録:前方法,後方法を問わず,頸椎症性脊髄症の手術後に三角筋,上腕二頭筋などの筋力低下を示す症例を時として経験するが,その大部分は術直後に症状を認め,不適切な術中操作,除圧範囲の問題などが原因と考えられた.今回頸椎前方除圧手術後の症例の中には,術後3〜4日目以降に発症する遅発症例があることが明らかとなってきた.このような症例は,術後の経時的なX-P,脊髄造影,CTM所見より,その原因が術後の頸椎の変形によるC5神経根の障害と考えられた.このような頸椎前方手術後のalignmentの破綻を起こす原因を考えると,腸骨移植の問題,移植骨・椎体母床の採型の問題,臥床中の頸椎固定姿位の問題などが考えられる.この合併症を防ぐためには,横倒れ,回旋変形などが起こらないように移植骨の採型を工夫し,さらに3椎間以上の広範な前方除圧術にはsapphire screwなどの内固定を加えることにより解決できると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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