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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻4号

1989年04月発行

文献概要

特集 不安定頸椎—基礎と臨床—(第17回日本脊髄外科研究会より)

頸部脊柱管拡大術(服部法)における術後X線学的検討

著者: 砂金光藏1 河合伸也1 小田裕胤1 松岡彰1 城戸研二1 野村耕三1 田中浩1 貴船雅夫1

所属機関: 1山口大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.445 - P.452

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 抄録:頸部脊柱管拡大術を施行し,術後1年以上追跡調査が可能となった88例について術後成績およびX線学的検討を行い,次のような結果を得た.CSMやOPLLなどの頸髄症における本法の術後成績は術後長期にわたり安定して良好な成績が維持されていた.X線学的検討では術後に出現する後彎傾向が問題であったが概して軽度であるため臨床成績への影響はほとんどない.しかし,術前から後彎形成のみられる症例のなかには後彎の増加から手術成績の低下するものがあった.頸椎可動域は術前の60%に減少し,この制動効果とともに術前にみられた椎間不安定性はほとんどの症例で消失ないしは改善しており,本法は術前に椎間不安定性を有する症例にも十分対処しうる.頸筋筋力では術後の後屈力の回復は相対的にやや低下するものの術後3〜6カ月で術前のほぼ90%まで回復しており,本法は長期的視野にたっても構築学的に安定した優れた術式といいうる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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