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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻4号

1989年04月発行

文献概要

特集 不安定頸椎—基礎と臨床—(第17回日本脊髄外科研究会より)

頸部脊柱管拡大術後の頸椎可動性について—片開き式と棘突起縦割法の比較

著者: 大村文敏1 白井康正1 中川俊1 山口淳一1 藤原淳1 大場俊二1

所属機関: 1日本医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.453 - P.459

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 抄録:頸部脊髄症に対し脊柱管拡大術を行い,術前後の頸椎可動性や彎曲異常の発生について,片開き式と棘突起縦割法との比較検討を行った.その結果,脊柱管拡大術後は頸椎可動性は制限され,術後新たな不安定性の出現はなかった.また術前に不安定性を有していた症例でも術後増強することは無く,むしろ制動されていた.可動域減少と症状改善率の間には正の相関があり,dynamic factorの除去による制動効果ありと言える.この制動効果は棘突起縦割法の方が片開き式より優れていたが,彎曲異常は棘突起縦割法に多く見られた.片開き式では蝶番側の椎間関節のみが侵襲された状態で残るのに対し,棘突起縦割法では両側で侵襲されたまま残り,さらに棘突起間の移植骨が骨性に癒合することがあるので,より強い制動効果を示すものと思われる.しかしいずれの術式でも術後は制動されるので,不安定頸椎の場合でも脊柱管拡大術の適応があるものと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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