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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻4号

1989年04月発行

文献概要

特集 不安定頸椎—基礎と臨床—(第17回日本脊髄外科研究会より)

頸椎椎弓切除術後の変形防止のための各手術法の比較—有限要素法によるSimulation

著者: 齋藤哲文1 山室隆夫1 四方実彦1 堤定美2

所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室 2京都大学医用高分子研究センター

ページ範囲:P.461 - P.469

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 抄録:若年例の頸椎椎弓切除術後の変形防止のため,種々の手術法が行われている.我々はSpanning Element Theoryに基づいた有限要素法と,"displacement incremental method"を用いてSimulatronを行い,各手術法の変形防止の効果を解析した.解析に際しては,Swan-neck Deformityが起こるモデルを使用した.解析した手術法は,前方固定法,Robinson,Callahan,あるいは宮崎らによる後側方固定法,黒川らによる脊柱管拡大術の代表的な3法である.Simulationの結果は,前方固定法と後側方固定法はほぼ同程度の変形防止効果がみられたが,椎弓切除範囲に隣接した正常脊椎部の固定を行わなかったモデルでは,椎弓切除部の上下端脊椎と正常脊椎との椎間板部に正常例より大きな主応力がみられた.これらの椎間板部で軽度のAngulationがみられた.脊柱管拡大術でも変形防止効果がみられたが,脊柱管拡大部の上下端の棘突起と正常脊椎部の棘突起を骨性に連結すると充分な変形防止効果がみられた.変形防止には,後方要素の連結要素の温存,あるいは力学的な強度の増強が重要な要因と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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