icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻4号

1989年04月発行

文献概要

特集 不安定頸椎—基礎と臨床—(第17回日本脊髄外科研究会より)

中下位頸椎脱臼骨折例における不安定性と麻痺

著者: 香月正昭1 芝啓一郎1 植田尊善1

所属機関: 1総合せき損センター整形外科

ページ範囲:P.491 - P.496

文献購入ページに移動
 抄録:中下位頸椎における脱臼・脱臼骨折例の麻痺と脊椎の不安定性について検討した.不安定性の検討のため,レ線像により関節locking,損傷椎体間後彎度・辷り率・有効脊柱管径を,手術所見により前縦靱帯・後縦靱帯・棘上靱帯・黄靱帯の損傷・後方骨要素の骨折および椎間板組織の脊柱管内迷入を検索した.各靱帯損傷,後方骨要素骨折は麻痺の強い症例に多く認められるが,麻痺症状に比し各靱帯損傷の頻度は高く,脱臼骨折の脊椎不安定性は大きいと考えられた.しかし,レ線像によるこれらの靱帯損傷の有無の判断は,麻痺の軽い症例では若干推測できるが,困難な症例が多い.過伸展,回旋力,剪断力が複合作用したと考えられる症例があり不安定性が強く麻痺症状も強い.椎弓骨折の特殊な形態としてfloating laminaを呈する症例があり,不安定要素は大きいが脊髄が挟撃を免れ麻痺症状の軽い症例が認められた.また,椎間板組織の脊柱管内への迷入が予想以上に高率に認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら