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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻4号

1989年04月発行

文献概要

特集 不安定頸椎—基礎と臨床—(第17回日本脊髄外科研究会より)

慢性関節リウマチに伴う上位頸椎病変の自然経過

著者: 藤原桂樹1 米延策雄1 越智隆弘1 冨士武史1 江原宗平1 小野啓郎1 膳棟造2 宮本洋2

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室 2国立白浜温泉病院整形外科

ページ範囲:P.551 - P.556

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 抄録:慢性関節リウマチに伴う上位頸椎病変であるAnterior Atlanto-axial Subluxation(AAS),Vertical Subluxation(VS)の自然経過について検討した.AAS 35例,AASにVSを合併した34例,VS 10例の計79例を対象とし以下の結論を得た.AASでは環椎は軸椎に対して前傾しつつ前方へすべる.環椎の前傾が進行するとAASにVSを合併する.VSが更に進行すると環椎前弓が下方へ落ち込むため計測上ADIは減少,AASは潜在化しVS単独となる.頸椎病変はAAS,AAS+VS,VSの順に進行する.AAS単独例では頸椎伸展位でADIは正常化し可動性良好な症例が多いが,AAS+VS例では可動性は低い.越智により提唱されたRAの病型分類(少関節破壊型,多関節破壊型,ムチランス型)でみると少関節破壊型は全例AAS単独でありVSを合併することはない.高度なVSにまで進行するのはムチランス型のみである.RAの病型分類は頸椎病変の最終段階を予測するうえで有効な指標となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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