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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻5号

1989年05月発行

文献概要

論述

上位頸椎に対するmandible and tongue-splitting approach

著者: 本間玄規1 室田景久1 司馬立1 近藤秀丸1 林克章1 太田康人1 伊藤博志1 漆原信夫1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学整形外科教室

ページ範囲:P.589 - P.597

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 抄録:軸椎に発生した巨細胞腫の2症例に対して,経咽頭腔前方進入法の1つであるmandible and tongue-splitting approachにより,腫瘍摘出術ならびに環椎から第3頸椎にいたる前方固定術を行った.本進入法によれば手術時に体位をとる際に頸椎の伸展や回旋などを加える必要がなく,外固定器具を装着したままで中間位あるいは整復位での手術が可能である.さらに,斜台から第4頸椎までの広い術野が得られ,安全かつ十分な前方除圧術が可能である.一方,気管切開が必要で,感染の危険性が高いこと,術前後の管理が煩雑なこと,咬合・舌機能に問題があるなどの欠点がある.しかし,強力な抗生剤が出現し,経静脈的高カロリー輸液が確立され術後呼吸管理の発達した現在においては,これらの欠点は大きな障害とはならず,頭蓋頸椎移行部や上位頸椎部の広範な前方除圧術が必要な症例においては,常に考慮されるべき進入法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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