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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻5号

1989年05月発行

文献概要

シンポジウム Rb法の限界

RB治療に伴う骨頭壊死についての考察

著者: 鈴木茂夫1 山室隆夫1

所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.629 - P.633

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 抄録:220例,270関節の先天性股関節脱臼,臼蓋形成不全に対するリーメンビューゲル(RB)による治療成績の検討を行った.さらに整復前の脱臼度をa値,b値で表わし,整復率,ならびにRB治療の合併症である大腿骨頭壊死との関係を考察した.RBによる脱臼の整復率は全体としては94.4%であったが,脱臼が高度になり,a値が4以下,b値が14以上になると整復率は65%以下と低くなった.また大腿骨頭壊死の発生率はa値とよく相関し,a値が低下するのにしたがい高くなり,8未満では17%以上であり,4未満では27%以上であった.骨頭壊死の重症度はかならずしも脱臼の程度と相関せず,軽度の脱臼においても,高度の壊死が見られることがあった.現時点でのRBの適応は少なくともa値が8以上あることが必要であり,それより程度の強い脱臼ではまず牽引その他の方法を講じ,いきなりRBを装着すべきではないと考える.RBは必ずしも無害ではないので,その装着は慎重にすべきであることを強調した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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