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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻5号

1989年05月発行

文献概要

臨床経験

短指症に発生した中手骨骨頭離断性骨軟骨炎の1例

著者: 近藤信和1 石下峻一郎1 藤田享介1 山田治基1 小野陽二郎1

所属機関: 1社会保険埼玉中央病院整形外科

ページ範囲:P.663 - P.666

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 抄録:離断性骨軟骨炎は関節軟骨の軟骨および軟骨下骨が関節面より遊離する疾患であり,膝関節大腿骨内顆,肘関節上腕骨小頭などに多く発生する.しかし,中手骨骨頭のように小管状骨に発生することは稀である.中手骨骨頭の離断性骨軟骨炎は短指症に発生した症例として1978年Andrénらによって報告されているが,以後の報告例は少ない.離断性骨軟骨炎の成因については,諸家によって外傷説,血行障害説,遺伝などの素因説などとさまざまな説が報告されているが,定説をみない.われわれは,右示指MP関節屈曲障害を主訴とする短指症の16歳女子のMP関節に遊離骨片を認め,遊離骨片摘出術を行った.摘出した関節内遊離骨片は病理組織学上では,表層では線維組織を多く含み,中心部ではわずかに石灰沈着をした硝子軟骨が主成分であった.この所見は離断性骨軟骨炎のものであり,これより短指症に発生した中手骨骨頭離断性骨軟骨炎と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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