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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻5号

1989年05月発行

文献概要

臨床経験

Plexiform neurofibromaを基盤として発生したと考えられる乳児悪性神経鞘腫の1例

著者: 中島久弥1 渡辺久照1 高桑俊文1 牛込新一郎2 山崎誠3 三好邦達3

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病理学教室 2東京慈恵会医科大学第一病理学教室 3聖マリアンナ医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.671 - P.675

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 抄録:悪性神経鞘腫は30〜50歳に多く,小児発生例は稀で,10歳以下の報告例は少ない.生後1年以内に発症する例は極めて稀である.今回,われわれは足背に発生したplexiform neurofibromaを基盤としたと考えられる乳児悪性神経鞘腫を経験したので報告する.
 生後3日目に右足背の母斑を指摘され,その後,その外側に腫瘤が出現した.生後3カ月時に,本院外来を受診し,その後増大傾向を認めたため腫瘍摘出術が施行された.腫瘍は肉眼的に薄い結合織性被膜に包まれ,弾性軟である.その割面は淡黄白色髄様で分葉状を呈している.組織学的には肥大した神経束及びplexiform neurofibromaを示す部分の他に,細胞密度の高い,核分裂像の多い,核異型をもつ悪性神経鞘腫を示す部分も認めた.免疫組織化学的にはS-100蛋白が強陽性を示した.電顕的にはlong cytopIasmic process,そのinterdigitation,basal lamina,desmosome like junctionを認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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