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認定医講座
腰椎脊柱管狭窄症
著者: 伊藤達雄1
所属機関: 1富山医科薬科大学整形外科学教室
ページ範囲:P.723 - P.730
文献購入ページに移動腰部における脊柱管狭窄症(SCS,spinal canal stenosis)は,老人社会を迎えた近年,重要な脊椎疾患の一つとなっている.すなわち体幹を直立に維持することの多いヒトにとって脊椎の老化と深い関わりをもつ本症は宿命的なものと言える.本症は1954年Verbiest, H.11)の報告,すなわち40歳以上の男性,単純X線上でlateral recessならびに脊柱管前後径のdevelopmentalな狭小を有し,ミエログラムにてブロックを呈し,起立・歩行にて症状の増悪,安静により緩解する特徴を有する馬尾症候群を示すもの,に始まり,Epstein, J. A.2)など多くの報告を経て,1976年Kirkaldy-Willis, W, H.を中心とする多数の研究者により国際的な定義と分類が定められた1).本症の病態は神経系の容器である脊柱管と,内容である馬尾,神経根などの関係(container-contents relationship)の破綻にもとつく,神経系の障害である5).
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