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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻6号

1989年06月発行

文献概要

臨床経験

棘上筋に発生したinfiltrating angiolipomaの1例

著者: 多田弘史1 冨永芳徳1 池田俊彦1 萱澤比呂志1 坂本力2 森渥視3 松本正朗4

所属機関: 1公立甲賀病院整形外科 2公立甲賀病院放射線科 3滋賀医科大学第二外科 4滋賀県立成人病センター病理

ページ範囲:P.749 - P.753

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 抄録:infiltrating angiolipomaは1966年Gonzalez-Crussiらにより報告された稀な良性腫瘍で,その病理所見は血管増生を伴う成熟脂肪組織が健常周囲組織に浸潤した像を示す.今回,左棘上筋に発生したinfiltrating angiolipomaを治療する機会を得たので報告する.症例は51歳男性で急速に増大する左肩甲部の腫瘤のため来院した.軟部撮影,CTで腫瘍内に異常石灰化を認め,血管造影で動脈瘤様血管と蛇行拡張した流出静脈が認められた,手術時,11×8cmの一部被膜を持つ黄色の実質性腫瘍が棘上筋から腱板に浸潤しているのが認められ,拡張した静脈内に結石が証明された.病理組織検査で初めてinfiltrating angiolipomaの診断を得たが,本腫瘍は術前診断が可能な腫瘍である.治療は腫瘍切除のみでは高率に再発するので健常部を含めた広範囲切除が原則であるが,生命を脅かすものではない為,機能障害を残さない配慮が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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