文献詳細
文献概要
臨床経験
ジュニア・テニス選手に生じた比較的稀な坐骨枝と恥骨下枝との結合部疲労骨折の1例
著者: 范廣宇1 阪本桂造1 藤巻悦夫1
所属機関: 1昭和大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.771 - P.774
文献購入ページに移動スポーツによって惹起された本邦症例は自験例を含めて17例を数えるが,本例が10歳と本邦における最年少例であった.この患児は9歳で東京都ジュニア・テニス大会2位となり,翌年の優勝を目ざし1日3時間以上の激しい練習を行っており,打法はフォワードが片手打ちで左足をステップインし,左足に重心をかけ,バックは両手打ちで腰をひねって打つものである.このため内転筋や膝屈筋群の緊張と骨盤輪の振れが左側の坐骨・恥骨下枝の軟骨結合部(ここは軟骨性脆弱部位であると同時に解剖学的に細い部分でもある)に歪みとして慢性的に働き,疲労骨折を招来したと考えた.
掲載誌情報