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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻7号

1989年07月発行

文献概要

臨床経験

レ線上第4頸椎にivory vertebraの像を呈し,頸部脊髄症をきたしたmonostotic Paget病の1例

著者: 佐々木斉1 原田征行2 藤沢洋一2 毛利尚宜2 銭谷雅博3

所属機関: 1大館市立総合病院整形外科 2弘前大学整形外科 3青森県立中央病院整形外科

ページ範囲:P.843 - P.847

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 抄録:レ線上ivory vertebraの像を呈するいくつかの疾患が知られている.我々は第4頸椎に限局した骨硬化像があり,椎体と椎弓の骨肥厚によって脊柱管狭窄をきたして脊髄症を呈した症例を経験した.症例は38歳,男性で両上肢運動障害,歩行障害などの第5頸髄節以下の脊髄障害がみられた.単純レ線では第4頸椎の椎体から椎弓,棘突起に及ぶ均一な骨硬化像がみられたが,椎間板と椎体の高さは保たれていた.脊髄造影では第4頸椎椎体レベルで造影剤の通過障害がみられた.頸部脊髄症に対して椎弓切除術を施行した.麻痺は順調に回復し,術後約1年を経過したが,椎間板狭小化,椎体高の減少はなく,麻痺の悪化もみられていない.椎弓切除術で得られた椎弓の組織標本では不規則な石灰化前線がみられ,いわゆるモザイクパターンを示すものと考えられた.レ線像と組織所見からは本邦では比較的稀なmonostotic Paget病と考えられた症例であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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