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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻8号

1989年08月発行

文献概要

論述

早期ペルテス病と単純性股関節炎—選択的動脈造影所見による比較検討

著者: 近藤博嗣1 星秀夫1 船山完一1 藤井玄二2 北純3 舩渡恒男4 成田雅治5

所属機関: 1東北大学整形外科学教室 2仙台赤十字病院整形外科 3仙北組合病院整形外科 4公立刈田総合病院整形外科 5公立佐沼総合病院整形外科

ページ範囲:P.899 - P.906

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 抄録:比較的早期のペルテス病2例と単純性股関節炎の2例につき臨床症状,単純X線写真像,関節造影像,99mTc-MDP骨シンチグラム,選択的骨頭栄養動脈造影像および生検組織像の検索を行い,両疾患の病態の相違を特に脈管学的な立場から検討した.ペルテス病では関節包外部分を含む広範囲の骨外栄養血行路に障害を認めたが,単純性股関節炎では関節包内部分に至るまで栄養血管の障害は認められなかった.骨シンチグラムにおけるペルテス病の骨頭骨端骨部の低集積および単純性股関節炎の正常集積像は,それぞれ,血行障害の有無に対応した.すなわち,ペルテス病は前述の血行障害に基づく大腿骨頭骨端骨中心の阻血性骨壊死症であり,単純性股関節炎は股関節の炎症状態と考えられた.従って,両者はたまたま小児股に発症するが,その後の臨床ならびにX線学的経過が必然的に異なると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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