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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻8号

1989年08月発行

文献概要

論述

慢性関節リウマチ3病型の自然経過に基づく膝関節の手術適応について

著者: 脇谷滋之1 越智隆弘1 大脇肇1 木村友厚1 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.907 - P.913

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 抄録:慢性関節リウマチ(RA)の自然経過により分類した3つの病型に基づいて,RAの膝関節に対する早期滑膜切除術および人工膝関節置換術(TKR)の成績および適応を検討した.対象は膝関節早期滑膜切除術またはTKRを受けたRA患者90例であった.軽症病型である少関節破壊型(LES)では早期滑膜切除術は臨床症状の改善がみられ良い適応であり,骨破壊の進行が少なくTKRに至る症例はなかった.重症病型である多関節破壊型(MES)では骨破壊が進み,早期滑膜切除術の効果が少なかった.この病型ではTKRに至る症例も多く,その適応の判断にはX線上の自然経過,全身の炎症反応および臨床症状などを考慮する必要がある.最も重症病型であるムチランス型(MUD)では骨破壊の進行は更に急速で全例TKRの必要が生じ滑膜切除術の適応はなかった.また,病勢を示す全身の炎症反応や自然経過の予後因子である血中CIq値は手術によって改善されなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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