icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻8号

1989年08月発行

文献概要

認定医講座

肩のスポーツ障害

著者: 濱弘道1

所属機関: 1京都大学医療技術短期大学部

ページ範囲:P.937 - P.942

文献購入ページに移動
I.肩の機能解剖と病態
 一般にスポーツ障害は,小外傷の反復に起因するものと,強い外力により非生理的運動を強制されたあとに発生するものとからなる.肩のスポーツ障害でも反復性肩関節脱臼に代表される後者よりも,前者すなわちoveruse syndrome(使いすぎ症候群)に分類されるものがはるかに多く,その頻度はきわめて高い.このことは,スポーツにおける6つの基本動作,すなわち立つ,歩く,走る,跳ぶ,蹴る,投げるのうちで最もよく行われるものが「投げる」動作であるといわれることからも十分理解できる.
 いわゆる「投げる」動作は,バレーボールのスパイク,テニスのサーブなどと同様に,通常3相,すなわち第1相:コッキング期,第2相:加速期,第3相:フォロースルー期に分けられる(図1).第1相では肩は外転・外旋・伸展し,その前方要素が過緊張を強制される.ついで内旋が始まり第2相の加速期に入り,球をはなし,もしくは打ち,強く内転・内旋して第3相のフォロースルー期につづく.この第2相から第3相では後方要素が制動作用を果たしながら,強く牽引をうける.このような運動が反復されてoveruse syndromeに至るものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら