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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻8号

1989年08月発行

文献概要

臨床経験

腰椎粉砕骨折の保存療法におけるCT像の追跡

著者: 斯波俊祐1 橋口孝1 柘植和郎1 高木祐一2

所属機関: 1群馬大学医学部整形外科学教室 2大宮中央総合病院整形外科

ページ範囲:P.999 - P.1005

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 抄録:胸腰椎移行部粉砕骨折においては,遅発性の脊柱変形や神経合併症が問題とされ,治療法に関しては種々の議論のあるところであるが,手術療法が推奨される場合が比較的多い.今回我々は,軽度の神経症状を伴う粉砕骨折3例と神経症状を伴わない粉砕骨折4例に保存療法を行い,最短5カ月,最長3年9カ月,平均14カ月の経過を観察したところ,良好な成績が得られ,CT像にて脊柱管が徐々に修復されていく傾向が認められた.単純レントゲン像にては全例に骨癒合が得られたことが示唆された.したがって,神経症状のない症例あるいは軽度の神経症状の症例ならば保存的に治療可能である.いわゆる不安定性という言葉の定義は統一されておらず多様な意味が含まれているため,一元的に論ずることはできないが,粉砕骨折を保存的に治療する場合,ある程度骨癒合するまで軸圧負荷をかけないということが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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