icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻9号

1989年09月発行

文献概要

論述

悪性軟部腫瘍の患肢温存のための併用療法について

著者: 姥山勇二1 後藤守1 山脇慎也1 井須和男1

所属機関: 1国立札幌病院整形外科

ページ範囲:P.1010 - P.1020

文献購入ページに移動
 抄録:悪性軟部腫瘍の治療のfirst choiceは外科的治療である.しかし健常組織を含めて切除する根治広切法は,患肢の重大な機能喪失を生じる危険も大きい.そこで手術治療にあたって放射線や化学療法の併用が,患肢の機能温存にどの程度有用であるかを検討した.これまで手術治療を行った四肢発生の悪性軟部腫瘍は176例である.その主な内訳は,切離断43例(術前照射3例),根治広切45例(動注4例,術前照射1例),術後照射58例である.広切法による局所再発は3例(6.6%),術後照射による局所再発は14例(25.4%)で,局所再発防止には広切法の方がすぐれている.一方合併症も含めた重篤機能喪失例は,広切で8例(17.7%),術後照射で10例(18.1%)と大差ない.以上より下肢に関しては外科的再建や補装具を必要としても根治広切法を第1選択とすべきである.しかし上肢は機能代償が困難で患者の不自由度も大きいので,併用療法による縮小手術も考慮に入れるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら