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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻9号

1989年09月発行

文献概要

論述

変形性膝関節症に対する楔状足底板を用いた保存的治療の長期臨床成績

著者: 遠山晴一1 安田和則1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1043 - P.1050

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 抄録:内側型変形性膝関節症に対し従来の薬物療法に加えて楔状足底板を処方し7年7カ月から12年2カ月(平均9.5年)を経過した症例61人および従来の薬物療法のみの症例16人に対し,楔状足底板を用いた保存的治療の長期成績に関する調査を行った.足底板を用いた保存療法の効果は第1次調査時(平均2.5年後)と比較し第2次調査時(平均9.5年後)ではいずれの病期でも低下していた.しかしstage Iの疼痛,stage IIの疼痛と歩行能力においては第2次調査時においてもその効果は認められた.また薬物療法のみの症例と比較した結果,第2次調査時のstage IおよびIIの症例における足底板自体の効果は疼痛に関しては認められたが歩行能力に関しては認められなかった.X線学的変形性変化の進行に関しては,足底板の有無は影響を与えなかった.楔状足底板はその効果と限界を理解して用いれば,変形性膝関節症の保存的治療の中心的役割を果たすことが可能であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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