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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻9号

1989年09月発行

文献概要

整形外科基礎

圧縮荷重下における椎体・椎間板の応力解析—胸腰椎部粉砕骨折の発生機序について

著者: 白土修1 鐙邦芳1 金田清志1 但野茂2 石川博將2

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2北海道大学工学部塑性加工学講座

ページ範囲:P.1051 - P.1057

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 抄録:胸腰椎部粉砕骨折の発生機序を知る目的で,有限要素法により圧縮荷重下における椎体・椎間板の応力解析を行った.解析には,人屍体摘出腰椎標本の側面X線写真にもとづき2椎体と介在する1椎間板を忠実に描写したモデルを作成し,平面ひずみ問題として行った.椎間板の変性が,圧縮荷重に与える影響も調べるために,髄核に相当する節点に内圧を加え,変性度をシミュレートした.高応力領域は,海綿骨では,髄核直下に,また,皮質骨では,髄核直下と椎体後壁中央部にみられた.髄核直下の高応力領域は,椎間板の変性が進むにつれて,減少する傾向にあった.以上の結果から,粉砕骨折の発生機序を次のように推察した.すなわち,圧縮荷重により,髄核直下の海綿骨とend-plateが破断し,髄核が椎体内に陥入する.その結果,骨折線は,椎体後壁中央部に及び,骨片が脊柱管内に突出する.さらに,椎間板変性の高度な高齢者では,粉砕骨折が少ない理由も推察できた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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