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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻9号

1989年09月発行

文献概要

手術手技 私のくふう

脂肪層をつけた遊離皮膚移植術の経験—含皮下血管網遊離全層植皮法

著者: 扇内幹夫1 服部憲明1 知野公明1 永嶋和男1 塚原哲夫1 山上繁雄1 藤巻悦夫1

所属機関: 1昭和大学附属豊洲病院整形外科

ページ範囲:P.1085 - P.1089

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 抄録:遊離植皮で術後に皮下脂肪のある植皮であれば四肢には有効である.今回,塚田の開発した含皮下血管網遊離全層植皮法に準じた植皮(薄い脂肪組織をつけた遊離植皮)を28例に追試した.恵皮部は全例鼡径部である.その結果,100%生着は20例(71%),部分壊死(80%以上生着)は5例(18%),不成功例(70%以上の壊死)は3例(11%)であった.生着率は従来の全層植皮術と同等と考えられた.しかも,全層植皮で得られなかった移植部の適当な厚みと移動性を得ることができた.手術適応は従来の全層植皮と同様であり,母床状態が良くなければならない.血行の悪い母床には熱傷用PVF spongeを用い,良好な肉芽の形成を得ることが可能であった.しかし過剰な肉芽には適当な削除が必要であった.本方法は植皮部に移動性や弾力性が得られるので,手の外科や関節近傍には最適と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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