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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻9号

1989年09月発行

臨床経験

上腕骨顆上突起骨折の1例

著者: 伊崎寿之1 矢部啓夫1 野本聡1 辻野昭人1 中西忠行1

所属機関: 1済生会横浜市南部病院整形外科

ページ範囲:P.1095 - P.1098

文献概要

 抄録:症例は6歳男子.自転車で転倒し,左肘関節を打って上腕骨顆上骨折をきたした.同じX線上で,骨折部の内上方3cmに骨性突起を認めた.長さ17mmの台形の基底をもつ高さ9mmの鉤状の突起が下方へ向かい突出していた.さらに,その突起の基部で横骨折を起こしていた.以上から,上腕骨顆上骨折に併発した顆上突起骨折と診断した.治療は,16日間の垂直牽引とそれに続く10日間のギプス固定であったが,この時点で顆上突起はほぼ骨癒合をしていた.受傷後8カ月の現在,肘の可動域制限はなく,正中神経に障害を思わせる所見もない.
 顆上突起は日本人では比較的稀にしか見い出されないが,正中神経の走行とのかかわりから臨床的意義がある.なお,この突起の骨折例は海外では10余りの報告があるが本邦には見当らない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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