icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻1号

1990年01月発行

文献概要

論述

前十字靱帯不全膝に使用する膝装具の制動効果に関する定量的検討

著者: 平岡正毅1 安田和則1 青木喜満1 尾崎清隆1 金田清志1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.11 - P.16

文献購入ページに移動
 抄録:膝前十字靱帯(ACL)不全に対する膝装具の効果と限界を検討するため,北大式膝装具(HKB)と4 Point ACL Brace(4PB,Donjoy社)の前方動揺性に対する装着直後の制動効果を比較検討した.被験者は陳旧性ACL損傷患者14人である.Knee Laxity Tester(Stryker社)を使用し,非麻酔下および麻酔下の条件で各装具装着前後における前方動揺性を計測した.
 麻酔下において,前方動揺性は装具非装着時13.9±2.4mm(平均±標準偏差)であり,HKB装着時では3.4±1.4mm,4PB装着時では3.0±1.3mmであった.非麻酔下における装具非装着時,HKBおよび4PB装着時の値は,それぞれ12.9±1.8mm,4.0±1.0mm,3.3±1.1mmであった.麻酔下における両装具の制動率は,HKBが75.0±9.4%,4PBが78.4±10.3%であり,両装具間に有意差は存在しなかった.両装具ともに効果の限界を知り,またそれぞれの装具の長所を生かして使用するならば,臨床上有用であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら