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手術手技シリーズ 関節の手術<下肢>
蝶番型人工膝関節の手術手技とその適応
著者: 井口哲弘1 黒坂昌弘1 廣畑和志1
所属機関: 1神戸大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.75 - P.84
文献購入ページに移動人工関節はその生理解剖学的機構から非制御性(non-constrained),制御性(constrained)および両者の中間の性質を有する半制御性(semiconstrained)に大別される.膝関節では現在までに完全な非制御性人工関節は開発されておらず,現状では表面置換型が主流をなす半制御性の人工関節および制御性人工関節とに分けられる.
もともと膝人工関節は制御性のhinge(蝶番)型の人工関節から発達してきた.1953年のWalldiusの報告以来,代表的なものだけでもMacAusland,Shiers,Young,St. George,HerbertそしてGuepar型など多数の蝶番型人工関節がある.いずれも大腿骨および脛骨に金属製の長いステムを挿入し,それを心棒(軸)で連結する型である.本邦でも1960年代から盛んに慢性関節リウマチや高度な変形性膝関節症に対し使用されてきた7,13,17).
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