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視座
温古知新
著者: 圓尾宗司1
所属機関: 1兵庫医科大学整形外科
ページ範囲:P.1125 - P.1125
文献購入ページに移動紹興酒の産地の小さな街だろうといった程度の知識で訪れた紹興市は,古い歴史の街であった.ここは春秋時代(B. C. 400年頃)の越の国であり,書道家の王義之ゆかりの蘭亭や,魯迅の生誕地として知られている.上海の郊外にある古都蘇州も同じ春秋時代の呉の国であり,「呉越同舟」はこの両国の関係をいう.紹興市の南方には「会稽の恥」で知られる会稽山があり,ここの越王像の下に「臥薪嘗胆」の故事が書かれている.呉に敗れた越王は,楊貴妃より美人といわれる西施を呉王にささげ,この間,薪に臥し,胆を嘗めて報復の機をうかがったということである.いずれにしても,これらの故事のルーツを現地で知ることが出来,大変興味深かった.
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