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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻10号

1990年10月発行

文献概要

臨床経験

大腿骨転子部骨折骨接合術術後に骨頭下骨折を合併した2例

著者: 百武康介1 五反田博1 今里博司1 西岡英次1 井上博1

所属機関: 1筑豊労災病院整形外科

ページ範囲:P.1189 - P.1193

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 抄録:我々は大腿骨転子部骨折骨接合術後に,同側の骨頭下骨折を合併した2症例を経験した.症例1は,77歳の女性で,DHS施行後3週目より部分荷重開始し,術後6週目には軽度の骨吸収を認めたが,一本杖歩行にて退院した.ところが,術後11週目,骨頭下骨折を認めた.症例2は,86歳の女性で,Ender釘による内固定施行後3週目より部分荷重を開始し,完全な骨癒合を得たが,術後4年8ヵ月に骨頭下骨折を認めた,症例1は,lag screwの先端に骨吸収が発生しており,中枢骨片の骨皮質の部分に金属が接した時,これが梃子となって骨の脆弱部,すなわち骨頭下部分より骨折が起こっていた.また,症例2は骨梁が粗となった部位への不適当なEnder釘の挿入により,その先端に機械的刺激が集中して,骨頭下骨折が起こったものと考えられた.これらの骨折は,免荷歩行の指導や,骨癒合の完了した時点での抜釘により予防し得たものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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