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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻11号

1990年11月発行

文献概要

論述

肩関節上方臼蓋唇付着部断裂に対する鏡視下staplingの術後成績―投球障害肩を対象として

著者: 米田稔1 広岡淳2 越智隆弘2 山本利美雄1

所属機関: 1大阪厚生年金病院整形外科 2大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1257 - P.1263

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 抄録:肩関節上方臼蓋唇損傷は投球動作を頻回に行うスポーツ選手や急激に外転挙上が強制された際にしばしば認められる.なかでも上方臼蓋唇全体が剥離・転位し臼蓋と骨頭の間に介在する“付着部断裂型”に対しては年齢,活動性,損傷程度を考慮して鏡視下staplingによる原位置への修復を行ってきた.本論文では,この術式の紹介を行うと共にその有用性について検討した.
 術後1年以上経過した投球障害肩10例(手術時年齢平均17.8歳,術後追跡期間平均29.4カ月)を対象とした.術後3~6カ月における抜釘時の再鏡視では,修復部の安定化は全例に認められた.臨床成績は10例中8例が良好(優:5例,良:3例)であり,成績不良の2例については,肩峰下滑液包炎の残存と亜脱臼障害が原因として考えられた.将来も肩関節に過大なストレスが繰り返される若年者の投球障害肩に対しては,可能な限り解剖学的修復を行うべきであり,上方臼蓋唇部の安定化が計れる本術式は有効な方法といえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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