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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻11号

1990年11月発行

文献概要

臨床経験

11年後に再発を認めた大腿骨巨細胞腫の1例

著者: 本間隆之1 矢部啓夫1 中西忠行1 飛弾進1 高橋一弘1 稲坂理樹1 腰野富久2 森井孝通2

所属機関: 1済生会横浜市南部病院整形外科 2横浜市立大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1287 - P.1291

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 抄録:手術後11年目に再発を認めた大腿骨遠位骨巨細胞腫の1例を経験したので報告する.症例は48歳の男性で,昭和47年7月に右大腿骨遠位骨巨細胞腫の診断により病巣掻爬と骨移植術を受けた.再発のために昭和48年1月と50年1月にも病巣掻爬と骨移植術を受けた.その後,放置していたが,昭和61年11月に転倒後,右膝関節痛が出現した.単純X線像で右大腿骨外側顆部に骨透亮像と骨折線を認め,CT像で大腿骨顆部前外側部に低吸収域を認めたため,骨巨細胞腫の再発による病的骨折と診断し,病巣掻爬と同種骨移植術を行った.病理組織学的所見は典型的な骨巨細胞腫を示した.術後3年5カ月の現在,再発を認めることなく通常の生活を送っている.骨巨細胞腫の再発の大半は初回治療から3年以内に起こり,我々の経験した11年後の再発は稀な症例である.長期間経過してから再発した場合でも骨巨細胞腫は基本的には良性であり,必ずしもradicalな治療は必要ではないと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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