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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻11号

1990年11月発行

文献概要

臨床経験

骨粗鬆症における脊椎圧迫骨折による脊髄麻痺

著者: 西山正紀1 藤田邦彦1 杉山修一1 石上陽一1 関口章司1 佐々木浩樹1

所属機関: 1静岡市立静岡病院整形外科

ページ範囲:P.1307 - P.1313

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 抄録:我々は,脊椎骨粗鬆症における圧迫骨折により脊髄麻痺を来した症例を経験し,後方固定術にて麻痺の改善を得た.そこで諸家の報告例36例と共に総括し,診断,治療を中心に述べる.一般的な特徴としては,①平均72.1歳と高齢.②女性は男性の4.3倍の頻度である.③罹患部位は第12胸椎が32.4%と最も多い.④約半数に明確な外傷歴を認めない.⑤腰背部痛発生から対麻痺までの期間は1週~9カ月と遅発性である.治療は,保存療法9例,手術療法28例で,おおむね手術療法の方が成績がよい.術式は後方除圧固定が12例と最も多いが,自験例は,椎体後壁からの脊髄圧迫は軽度であり,後彎変形および不安定性が麻痺の主たる因子と考えられ,後方固定術を選択した.症例を選べば,後方固定による後彎変形,不安定性の改善にて麻痺の回復する例も多いと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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