icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻11号

1990年11月発行

文献概要

臨床経験

偽ばち状指を主訴とした原発性上皮小体機能亢進症の1例

著者: 清水泰雄1 芳村直1 小関博久1 松村弘人2 藤巻悦夫3

所属機関: 1社会保険相模野病院整形外科 2社会保険相模野病院外科 3昭和大学整形外科学教室

ページ範囲:P.1319 - P.1322

文献購入ページに移動
 抄録:偽ばち状指を主訴とした原発性上皮小体機能充進症の1例を経験したので,報告する.症例は,50歳,女性で,1年前の検診でアルカリフォスファターゼの高値を指摘されていたが,放置していた.初診時のX線像で,中指末節骨の溶骨様変化と中節骨橈側の骨吸収像を認めた.また,頭蓋骨の顆粒状骨吸収像,歯槽硬線の消失も認め,血中Ca,PTHは増加,Pは減少していた.手術にて上皮小体右葉下極より4.8gの腫瘍を摘出した.病理組織は腺腫で,悪性所見は認めなかった.術後,血液生化学検査,X線変化,臨床所見等,急速な改善がみられた.原発性上皮小体機能亢進症は,最近では早期発見,早期治療が行われるため,骨病変で発見されることは少ない.特に,褐色腫は長管状骨に発生することが多く,末節骨に発生し,そのために偽ばち状指を呈することはきわめて稀であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら