文献詳細
臨床経験
文献概要
抄録:高IgE症候群に伴った多発性骨折の1例を経験したので報告した.症例は,3歳の男子で,昭和59年9月膿胸の診断で某市立病院で治療した際に高IgE症候群と診断された.昭和60年5月,左手関節の変形と両手関節の運動制限で当科を受診した.X線像にて,両橈骨遠位端の骨折と左腓骨骨折および四肢骨の骨皮質の菲薄化を認めた.自発痛,圧痛はなかった.4カ月後には骨修復も良好であった.
約10年前より新しい疾患単位として認められつつある高IgE症候群は,1966年Davisらの報告が最初とされている.今日まで本邦における本症候群の報告は,小児科,皮膚科領域では散見されるが,整形外科領域での報告は見ない.今回われわれは,本症候群に伴った多発性骨折の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
約10年前より新しい疾患単位として認められつつある高IgE症候群は,1966年Davisらの報告が最初とされている.今日まで本邦における本症候群の報告は,小児科,皮膚科領域では散見されるが,整形外科領域での報告は見ない.今回われわれは,本症候群に伴った多発性骨折の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
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