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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻11号

1990年11月発行

文献概要

臨床経験

骨盤部に発生した血管肉腫に対するsaddle prosthesis再建の1例

著者: 川口哲1 宮野須一1 河村正朋1 内藤貴文1 薄井正道1

所属機関: 1札幌医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.1333 - P.1336

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 抄録:右殿部皮下から坐骨におよぶ血管肉腫を経験し,wide resection後にsaddle関節型prosthesis(Link社,西独)を用いて股関節を再建した.症例は61歳,女性.右殿部に発生した悪性血管内皮腫の再発例である.MRI画像で,右殿部皮下,大殿筋筋層下,坐骨内に腫瘍を認めた.術前にtotal 50Gyの放射線治療を施行したところ,MRI像上で皮下と筋層下の腫瘍は消失した.坐骨内の腫瘍には,腫瘍の周囲に帯状像が形成された.手術方法は,腫瘍より5cm離れた部位を切除縁とし,殿筋群を含めて股関節部を一塊として摘出した.股関節部はsaddle prosthesisを用いて再建し,殿部の皮膚と筋層の再建は遊離広背筋移植術を用いた.術後6カ月の現在,一本杖での歩行が可能となった.
 本法は,臼蓋周辺に生じた悪性腫瘍に対する広範囲切除後の股関節機能の再建に,有用な一手段となると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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