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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻12号

1990年12月発行

文献概要

論述

著しい脚長差を有する片側全人工股関節置換術の検討

著者: 松末吉隆1 山室隆夫1 奥村秀雄1 上尾豊二1 笠井隆一1 清水和也1 神先秀人2

所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室 2京都大学医学部附属病院理学療法部

ページ範囲:P.1369 - P.1374

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 抄録:一側にTHRを行い,反対側は高位脱臼の状態で著しい脚長差を有したまま経過をみた症例(以下脱臼群と略する)を,健側がほぼ正常の片側THR症例(コントロール群と略する)と比較した.脱臼群は11例で全例女性,手術時年齢は平均53歳(47~57歳),経過観察期間は2年から11年,平均5年であった.コントロール群は53例で手術時年齢43歳から65歳,平均54歳で経過観察期間は平均6.2年であった.日整会評価点数では両群に差はなく,歩行能力点数では脱臼群は平均12.5でコントロール群より劣っていた.X線評価では脱臼群はゆるみを認めないが,コントロール群はゆるみ7例(13%),revision 8例(15%)を認めた.ステム先端の大腿骨皮質の肥厚は脱臼群で45%と高率に認めた.股関節外転筋力は脱臼群では両側ともコントロール群と比べて低値であった.反対側に,高位脱臼を有するこのような特殊な例では,疼痛が強ければ積極的に一側のみにTHR手術を行って良いと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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