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文献概要
臨床経験
慢性関節リウマチ,シェーグレン症候群に全身のcalcinosisを伴った1例
著者: 嘉森雅俊1 岩田久1 石黒直樹1 加藤龍也1 伊代田一人1 上田哲司1 三浦隆行1
所属機関: 1名古屋大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.1427 - P.1430
文献購入ページに移動症例は58歳,女性.主訴は両股関節痛で,昭和44年RAに罹患した.同59年より両股関節痛出現,近医受診し,右股関節周囲の石灰沈着を指摘された.平成元年両股関節破壊の進行を指摘され当院を受診した.多発性の関節腫脹,変形がみられたが,Raynaud現象,皮膚硬化はみられなかった.眼内乾燥を訴え,当院眼科にてSjSの診断を受けた.X線像で両股関節の関節裂隙の狭小化,両手指,手関節の破壊,両股関節周囲,両手指,両足,両肩,肘関節周囲に石灰沈着がみられた.検査所見はRA(-),抗核抗体(+,speckled pattern),抗SS-A抗体(+),抗SS-B抗体(-),ESR 100/hr,CRP 10.4であり,肝,腎機能,Ca,P,PTH等は正常であった.右股関節のopen biopsyを施行し,関節周囲の滑液包,関節滑膜に炎症性変化,石灰沈着を認めた.本例は代謝異常はみられず,異栄養性石灰化と思われる.
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