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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻2号

1990年02月発行

文献概要

論述

INCHING法による上肢の末梢神経局在病変の検索

著者: 宮坂芳典1 桜井実1 飯田剛1 鴇田俊一1 羽鳥正仁1

所属機関: 1東北大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.137 - P.144

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 抄録:神経伝導速度が遅延する現象の意義を明確化することを目的として,手根管症候群,肘部管症候群を対象として以下のinching法により神経伝導試験を行った.絞扼部位の近位・遠位にまたがって1cm間隔で多数の刺激点をとり,手の内在筋より複合筋活動電位を,知覚神経では手指より知覚神経活動電位を導出し,伝導時間,振幅,持続時間,dispersion現象の4点から分析を行った.手根管症候群31例中18例で限局された区間(1-3cmの長さ)で伝導時間の遅延を示した.他の区間での伝導時間の遅延はみられなかった.肘部管症候群では45例中32例で同様の所見を得た.これらは臨床的にみて比較的軽症例の特徴的所見であったが,伝導速度という観点からはごく限局された区間(1-3cmの長さ)でのみ伝導速度が低下することを意味すると考えられた.Inching法を用いた検索は末梢神経障害の初期病変の診断,特に局在病変の確定に極めて有用な方法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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