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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻3号

1990年03月発行

文献概要

シンポジウム 予防処置導入後の乳児先天股脱

予防処置導入前後の乳児先天股脱の脱臼度の比較

著者: 藤井敏男1 和田研1 井上敏生1 高嶋明彦1 窪田秀明3 福岡信二1 松元信輔2 野口康男3 大石年秀3

所属機関: 1福岡市立こども病院感染症センター整形外科 2国立療養所福岡東病院整形外科 3九州大学整形外科

ページ範囲:P.288 - P.292

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 抄録:先天股脱予防運動の浸透にともない,発生率の低下と共にRb.による整復率が最近減少傾向を示している.1969年から1978年までの126関節を先天股脱予防処置確立前の群,1980年から1988年までの115関節を予防処置確立後の群として,生後6カ月未満初療例の年代的な比較検討を山室のa値を用いて行った.その結果予防処置普及後の症例において,それ以前のものと比較し脱臼度の軽度な症例が減少し(14.3%→5.2%),脱臼度の高度な症例が増加して(0.8%→13.0%)いた.すなわち先天股脱予防処置の導入は,脱臼度の軽度な症例に対して有効に働き,その発生率を減少させていた.一方,最近は,脱臼度の高度な先天性,奇形的要素を有する先天股脱例が増加していると考えられる.また,Rb.による整復率は予防処置普及後の生後2カ月児で(96.4%→68.8%)減少していたが,脱臼度の変化との相関は見出せなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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