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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻4号

1990年04月発行

文献概要

特集 不安定腰椎(第18回日本脊椎外科研究会より) 論文

腰椎辷り症における椎体の回旋不安定性

著者: 星島一夫1 山本博司1 谷俊一1 上岡禎彦1 山下弘2

所属機関: 1高知医科大学整形外科学教室 2山下整形外科医院

ページ範囲:P.393 - P.398

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 抄録:155例の腰椎分離辷り症,変性辷り症について腰椎動態単純X線写真によって椎体の回旋を計測する方法を開発した.計測の結果,回旋不安定性は腰椎辷り症のL3/4間にもっとも多く,L5/Sでは回旋はほとんど認められなかった,また屈曲位で最大となる傾向にあった.回旋度の大きさと辷り率の変化とは有意な相関がなかった.各椎間レベルでの差は,立体的な椎間関節の形態や腸腰靱帯や,L3への広背筋腰部線維などの付着などの構築上の差異によるものが大きいと思われた.CT写真によって計測された椎間関節角度の左右差は,回旋度とは相関しなかった.神経症状など臨床症状の発現について,回旋不安定性を示す椎間数と症状の間に有意な関連を認めた.以上より,椎体の異常回旋を現象としてのみでなく,辷り症の病態解明や適切な治療法の選択に反映すべきと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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