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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻4号

1990年04月発行

文献概要

特集 不安定腰椎(第18回日本脊椎外科研究会より) 論文

重度脊椎すべり症に対する後方からの整復固定術とその問題点

著者: 宮地芳樹1 小野村敏信1 渡辺秀男1 田中真一郎1 井上隆1 小林一朗2

所属機関: 1大阪医科大学整形外科学教室 2北摂病院整形外科

ページ範囲:P.527 - P.535

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 抄録:脊椎下垂症をふくむMeyerding分類III°以上の重度脊椎すべり症4例に対して,後方より進入し一期的に整復操作を行いpedicular screwとplateによる固定と骨移植を行った.すべりは57~100%の改善が認められ,特に下垂症の2例ではほぼ完全な整復が得られ,すべりの再発もなく強固な骨癒合が得られた.術前の局所後彎や姿勢異常,歩容異常,痙痛や直腸膀胱障害などに術後著明な改善が得られた.下垂症の2例では術後,一側第5腰神経根の麻痺症状が出現したが,2例とも現在足関節の背屈力の改善が見られている.
 重度脊椎すべり症においては良い整復位のもとに確実な骨癒合を得る事が大切であり,なかでも成長期においては後彎の矯正が重要である.しかし先天性素因を基盤とする下垂症においては整復操作もふくめて手術侵襲は大きなものにならざるを得ない.特にこの整復により下位腰神経根は解剖学的に走行が大きく変化するため,その障害発生の予防には充分注意する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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