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このところ世界は20世紀末の激動に晒されている.東欧諸国を中心とした混乱を新聞やテレビで見るにつけ,人種・宗教・社会構造の上で境界線に位置する国々の苦悩が痛いほど伝わり,海という自然の城壁に囲まれて,まずは平和のうちに暮らして来れた日本人の仕合せを感じずにはいられない.
ペレストロイカ・グラスノスチを掲げて登場した米ソ冷戦緩和の仕掛人ゴルバチョフは自由主義陣営から拍手をもって迎えられる一方で,自国経済建て直しの遅れと東欧に群発する社会的混乱から,肝腎の自国内ではその立場が危ぶまれている.大きな支配領域を有しつつもその境界域に多民族国家を抱える大国にとって,これをながく維持することが如何に難しいことかを如実に表わしている.
ペレストロイカ・グラスノスチを掲げて登場した米ソ冷戦緩和の仕掛人ゴルバチョフは自由主義陣営から拍手をもって迎えられる一方で,自国経済建て直しの遅れと東欧に群発する社会的混乱から,肝腎の自国内ではその立場が危ぶまれている.大きな支配領域を有しつつもその境界域に多民族国家を抱える大国にとって,これをながく維持することが如何に難しいことかを如実に表わしている.
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