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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻5号

1990年05月発行

文献概要

論述

小児大腿骨骨幹部骨折の治療―早期hip spica cast法

著者: 杉基嗣1 開地逸朗1 野田基博1 伊藤孝1

所属機関: 1鼓ヶ浦整肢学園 2

ページ範囲:P.589 - P.595

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 抄録:早期ギプス固定を行った10歳以下の小児大腿骨骨幹部骨折191例を対象としてギプス内での骨折転位の変動について調査した.経過観察期間は4.5年から8年で,骨折型による転位の程度や変動に差は見られなかった.固定時の転位の許容範囲は短縮が20mm前方屈曲20゜外反15゜とし,その他は0゜とした.短縮転位の変動はほぼ一定の経過をたどり,整復固定後1週間のうちに転位は僅かに増悪するがその後は殆ど変化することなく骨癒合がえられた.骨癒合時の短縮はいずれも大腿骨長の10%以下で,調査時には7例に6mm~13mmの脚長差を残したにすぎなかった.屈曲転位の変動は少なく,調査時に過度の変形を残した例はなかった.固定時下肢を軽度外旋位としたにもかかわらず13例に10゜~15゜の内旋変形が見られたが歩容に異常はなかった.今回の調査より本骨折には早期ギプス固定法は適当な治療方法であり,固定後1週目のX線検査は重要なポイントと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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