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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻5号

1990年05月発行

文献概要

臨床経験

脛骨内顆骨壊死に骨析を合併した1例

著者: 西川哲夫1 黒坂昌弘1 井口哲弘1 佐浦隆一1 廣畑和志1 金沢秀和2

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科学教室 2金沢整形外科

ページ範囲:P.643 - P.646

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 抄録:膝の特発性骨壊死の脛骨発生例は極めて少ない.我々は脛骨内顆にみられた特発性骨壊死と思われる症例に骨折を合併した一例を経験したので報告する.患者は69歳女性で,自転車から降りた際に右膝部痛を自覚した.その後近医にて数回の関節穿刺およびステロイドの関節内注入を受けたが軽快せず,1カ月後にはX線上,骨折線および骨透亮像を認め,5カ月後には骨折部の陥凹をきたした.以上の症例に対し脛骨内穎骨壊死を疑い片側性人工膝関節置換術を施行した.骨折片および脛骨母床側の病理組織学的所見では典型的な骨壊死像,層状の添加骨形成が見られた.壊死病巣の広がりによってはcollapseのみならず,この例のごとく骨折を合併することがあるので,脛骨内顆骨壊死の早期の確定診断が重要であり疑わしい場合には慎重に経過を観察すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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