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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻5号

1990年05月発行

文献概要

臨床経験

陳旧性上腕骨小結節単独骨折の2例

著者: 遠山晴一1 荻野利彦1 三浪明男1 岩崎公彦2

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科 2王子総合病院整形外科

ページ範囲:P.657 - P.660

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 抄録:上腕骨小結節骨折は他の上腕骨近位端骨折,あるいは肩関節後方脱臼骨折に合併するのが大部分であり,単独骨折はまれである.著者らが渉猟し得た範囲では,本症は15例が報告されているに過ぎない.また,これら報告例のうち陳旧例の報告はLaBriolasら,Lorenzの報告の2例のみである.今回,著者らは陳旧性の上腕骨小結節単独骨折の2例を経験したので報告した.
 本症例のような陳旧性の上腕骨小結節単独骨折の診断は困難を伴う.しかしCT像による肩甲下筋腱の骨片への付着の確認により本症の診断は可能である.本症の治療において,肩甲下筋が退縮し解剖学的位置に同筋を修復することが困難であった症例では術後の成績は不良であった.これに対し肩甲下筋を修復できた症例の術後経過が良好であった.本症の治療では何らかの方法で同筋を修復することが必要であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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