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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻6号

1990年06月発行

文献概要

論述

頸部脊髄症と腰部脊柱管狭窄症合併例の臨床的検討

著者: 佐々木斉1 原田征行1 近江洋一1 植山和正1 岡村良久1 三戸明夫1

所属機関: 1弘前大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.709 - P.715

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 抄録:頸部脊髄症で歩行障害をきたすことは少なくない.昭和50年から平成元年4月までの15年間に,頸部脊髄症と腰部脊柱管狭窄症の複合病変を有した9例を経験した.男8例女1例で,初回手術時年齢は平均53.6歳であった.全例で頸椎と腰椎の除圧術を受けていたが,複合病変と診断するには下肢のtension sign,間歇性跛行の有無,歩行負荷試験,選択的神経根ブロックが有効であった.9例のうち8例について調査を行った.術後追跡期間は平均7年8カ月であった.日整会頸髄症判定基準(JOA score)の評価では平均10.8点であったが,13点以上を獲得していたのは3例にすぎなかった.上肢機能と下肢機能の比較では,上肢のJOA scoreが平均2.9点に対し,下肢機能は2.3点と低くなっていた.頸髄症・腰部脊柱管狭窄症の複合病変と診断して早期に除圧術を行った例で,臨床的に良好な改善が得られた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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