icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻6号

1990年06月発行

文献概要

臨床経験

肩甲骨烏口突起単独骨端線離開の1手術例

著者: 仲川喜之1 熊井司1 青木孝1 国重義文1 奥田寿夫1 尾崎二郎2 玉井進2

所属機関: 1榛原町立病院整形外科 2奈良県立医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.745 - P.749

文献購入ページに移動
 抄録:肩甲骨烏口突起の単独骨折は極めてまれであるが,中でも骨端線離開の報告は少ない.今回,我々は烏口突起単独骨端線離開の1手術例を経験したので報告する.症例は11歳,男子で,走っていて誤って鉄棒の支柱で左肩前面を強打.烏口突起部に圧痛を認めたため,健側・患側ともに,肩関節下垂位前後像・挙上位前後像・cephalad angulation view・axillary view撮影を行い,烏口突起基部単独骨端線離開と診断した.骨端線離開が著明であったため,観血的療法を選択した.術中,烏口肩峰靱帯・烏口鎖骨靱帯に損傷は認められず,烏口突起は上腕二頭筋短頭・烏口腕筋により引っ張られ,おじぎをするように下外側へ転位していた.これを整復し,スクリュー1本にて固定した.術後3週間デゾー固定を行い,術後5週で可動域は正常に復し,術後3カ月で抜釘.術後4カ月時,X線像においても鳥口突起の変形・成長障害も見られず,元気にスポーツに復帰している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら