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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻6号

1990年06月発行

文献概要

臨床経験

橈側列形成不全に合併した手舟状骨阻血性壊死の1例

著者: 松谷常弘1 露口雄一1 松峯昭彦1 土井照夫1 高岡邦夫2

所属機関: 1大阪労災病院整形外科 2大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.785 - P.788

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 抄録:今回我々は,極めて稀と思われる,橈側列形成不全に合併した手舟状骨阻血性壊死の1例を経験した.症例は27歳,女性.生下時より両側母指の低形成を認めた.左手関節の損傷により当科を受診.X線上左手舟状骨は低形成と骨硬化像を呈し,大菱形骨,第一中手骨,橈骨遠位端にも低形成を認めた.左上肢血管造影にて,橈骨動脈にも低形成を認めた.治療として近位手根骨列切除術を施行.舟状骨は近位2/3が骨壊死,遠位1/3は反応性骨形成の所見であった.本症例の病態を呈するに至った病因として以下のものを考えた.舟状骨の低形成に起因する舟状骨への異常なストレス,舟状骨への血行の脆弱性,繰り返す舟状骨へのminor trauma,これらのものが組み合わさった結果であると思われる.現在術後5カ月が経過するが,左手関節可動域は改善を示し,疼痛も消失,術後経過は良好と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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