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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻7号

1990年07月発行

文献概要

臨床経験

両下肢麻痺を呈した胸椎グロムス腫瘍の1例

著者: 別所康生1 片岡治1 庄智矢1 北沢荘平2 岡田聡3

所属機関: 1国立神戸病院整形外科 2国立神戸病院研究検査科病理部 3神戸大学附属病院病理部

ページ範囲:P.889 - P.892

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 抄録:症例は49歳の男性で,主訴は歩行障害である.胸椎単純X線像で第2胸椎に骨破壊像が認められ,上行性および下行性脊髄腔造影像ではそれぞれ第2胸椎の下縁・上縁にてブロック像が示された.脊椎腫瘍の診断の下に肋骨横突起切除術による腫瘍摘出術および椎体間固定術が施行され,神経症状はほぼ完全に回復した.しかしその後,症状の再発がみられ術後約5年半で起立不能となった.胸椎椎弓切除術による腫瘍摘出術および脊椎後方固定術を施行した.病理組織では小血管をとり囲んで上皮様細胞がシート状に増殖していた.以上より脊椎原発のグロムス腫瘍と診断した.日本整形外科学会全国骨腫瘍患者登録〈1972-1987〉では31名の骨原発グロムス腫瘍患者が登録されている。また,検索した範囲では自験例を含め12症例の報告がみられているが,いずれにおいても脊椎原発のグロムス腫瘍の報告例はなく,脊髄症状を呈した最初の報告例であると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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