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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻8号

1990年08月発行

文献概要

論述

上肢発生の悪性軟部腫瘍について

著者: 姥山勇二1 山脇慎也1 井須和男1

所属機関: 1国立札幌病院整形外科

ページ範囲:P.943 - P.950

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 抄録:当科で扱った255例の悪性軟部腫瘍中,上肢発生例は48例(18.8%)である.発生部位では,前腕16例(33.3%)と上腕13例(27.0%)が多い、組織型では,MFH 13例(27.0%)や横紋筋肉腫12例(25.0%)が主で,脂肪肉腫は4例(8.3%)と上肢には少ない傾向を示した.行われた術式では,根治広切よりも切離断の方が多く,特に再発例にその差が顕著である.48例中23例が腫瘍死しており,その死因では17例(73.9%)が肺転移である.下肢のそれと同様原発巣の治療の他にadjuvant chemotherapyの必要性も認められた.上肢ではその機能損傷の重大性とその代償作用の困難性とから,外科的治療に当たって患肢の機能温存を意識せざるを得ない面を多くもつ.腫瘍の発生部位によっては併用療法による機能温存療法も考慮すべきであるが,どの部位にせよ手自体の機能がどれ程有用に残せるかが,上肢における治療上の最大のポイントである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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